ー福子の姉・ 小野塚咲役 内田有紀
父亡き後、今井家の家計を支え、また精神的な支柱でもあった長女・咲。幸せな結婚生活を送ったのもつかの間、結核を患い亡くなってしまいました…。そんな咲を演じる内田有紀さんに、咲という人物について、また、思い出のシーンについてお話を伺いました。
優しさを押し売りしない人。そこが好きです。
-咲はどんな人だと思いますか?
咲は誰に対してもこびることなく、まっすぐで、いつも周りの人との調和を考える人です。でも咲自身は、特に気を使っているとも、優しくしているとも思っていない器の大きさを感じます。咲のそういう、柔らかさと包容力、穏やかさを兼ね備えている所が好きですね。一歩下がって見守る優しさを持った女性というのは、今の時代にはあまりいないタイプだとも思うので、私自身「このような女性はすてき!」と憧れを抱きます。
そんな咲の優しさが、皆さんの心の中に温かく染み渡ってもらえたらと思いながら演じていました。
結婚式前夜の母娘の時間。
-いつも自分を全面に出さない咲ですが、そんな咲が、素直な感情を表したシーンはどこだと思いますか?
結婚式前日の夜、鈴さん(松坂慶子)に「お母さん、ありがとう」と伝えるシーンです。
お母さんが一生懸命育てくれたからこそ、今の自分があると感謝の気持ちがあふれ出たシーンだと思います。
福子と萬平の共同作業を、ほほえましく見ていました。
-結婚式のシーンの思い出を教えてください。
クラシカルでもあり、モダンでもあるすてきなセットと、みなさんの温かいお芝居のおかけで、とても気持ちのよい時間を過ごせたことを覚えています。
そして、咲と真一さん(大谷亮平)の式ではあるけれど、福子(安藤サクラ)と萬平さん(長谷川博己)の初めての共同作業が行われたシーンなので、これからの二人を思うと、ほほえましい気持ちになりました。
咲の匂いは、爽やかな柑橘系から〝甘いゆりの花〟へ。
-クランクインされた頃、お話を伺わせていただきましたが「咲はいい匂いがしそうな女性」とおっしゃっていました。それはどんな匂いですか?
物語の始め頃、台本を読んだり演じたりして感じていたことは、咲はとっても爽やかなイメージ。さらっとしていて、すがすがしい柑橘系のような匂いです。そして結婚式からすぐに3年後の描写になりますが、その間にきっと一人の女性として成熟し、柑橘系から〝甘いゆりの花〟のような匂いになって、最期を迎えたのではないかなと思います。
咲の愛情や優しさの種は福子の中に。
-結核を患い、亡くなってしまった咲。咲の臨終のシーンは、どのような気持ちで演じられましたか?
「みんなに心配をかけたくない」という咲の思いは、亡くなる間際まであったと思います。そして咲の中では、福子が年をとるまで、ずっとそばで見守っていたいという気持ちもあったと思います。
そういった、咲の家族への〝愛情や優しさの種〟を福子の中にまいて、芽吹いていってほしい。その部分を丁寧に演じることを心がけました。
きっと、咲は幸せだったと思います。
-咲は幸せだったと思いますか?
心残りはたくさんあると思うのですが、咲は幸せだったと思います。
日本は日中戦争による軍需景気に沸いている時期でしたし、そういう時代に愛する人と結ばれて、大切な家族もいて。咲は幸せだったと思いたいです。
福子と萬平のすてきな道のりに期待!
これから新しい家族も増えて、みなさんが毎朝、楽しみに見ていただけるような“家族のお話”にどんどんなっていきます。なんといっても、萬平さんと福子が非常におもしろい人生を歩んでいくので、二人のすてきな道のりを、ぜひ見ていただきたいです。
そして…これからも、たまーに咲は思わぬ形で出てきます。そこも楽しみにしていただければうれしいです。
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