中世の食文化を描いた絵画、酒飯論絵巻を紹介する展示会が、京都市で開かれています。
酒飯論絵巻は、酒が好きな公家と飯を好む僧、それに酒と飯のいずれもほどほどにたしなむ武家の3人が、酒や飯の良さを主張しあう様子を絵巻物に描いた室町時代の作品で、国内外にいくつもの複写があります。
京都市上京区の茶道資料館で開かれている展示会には、国内にある酒飯論絵巻や、酒の杯や茶道具などおよそ30点が展示されています。
このうち白描本とよばれる絵巻物の下書きには、ちゅう房の様子が墨と淡い色で描かれ、茶臼をひく男性の腕を枠外にも描くことで練習した様子が伺えます。
また茶道資料館が保存する絵巻では、赤飯やくりご飯、それに山菜ご飯などさまざまな種類があり、酒よりもすばらしいと飯好きの僧の主張が描かれています。
この展示会は、展示品を入れ替えながら12月4日まで京都市の茶道資料館で開かれています。