日本航空石川の初のベストエイト進出に貢献したサウスポーの杉本壮志投手です。優勝候補にもあがっていた明徳義塾(高知)との3回戦では、左手などをつりながら、8回途中まで0点に抑える我慢のピッチングをみせました。
準々決勝の東海大相模(神奈川)との試合も杉本投手が先発しました。接戦となる中、「みんなの気持ちに後押しされ、期待に応えようと思いました」という杉本投手。相手が変化球を振ってこないのを見て、ストレートを増やすなど工夫を凝らし、この試合も我慢のピッチング。相手の強力打線を7回まで2点に抑えます。
しかし、1点をリードされた8回、「疲れが出てコースが甘くなった」と、試合を決定づける1点を奪われて、日本航空石川は1対3で敗れました。
試合後、杉本投手は「優勝を目指してきたので本当に悔しいです。味方が点をとってくれるまで頑張って粘ろうとしましたが、苦しいマウンドになりました」とうつむいていました。
それでも中村隆監督は「本当によく頑張ってくれました。臆さずにインコースを攻め、気持ちを強く持って投げていました」とたたえました。杉本投手が繰り返し口にしたのが「我慢」ということば。そのことばに、私も勇気をもらいました。
(甲子園取材班 小手森千紗記者)