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高校野球NEXT ~桑田真澄が語る甲子園~番外編③

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荒木大輔さんをナビゲーターに、高校野球の果たす役割やその未来をみつめる新シリーズ「高校野球NEXT」。その第1回に登場したのが、PL学園のエースとして活躍した桑田真澄さんです。テレビで放送できなかったインタビューの内容を紹介する「番外編」の最終回。最後のテーマは「高校野球への提言」です。

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Q.これからの高校野球の発展に必要なものは?

高校野球は日本のすばらしい文化だと思うんですね。でも、何事も時代に合ったものに変えていかないといけない。これからの時代は当然、野球の戦術も道具も進化していく。トレーニング方法も進化する。高校野球も時代に合ったものに進化させないといけないと思いますね。まずは、選手のけがを未然に防ぐ取り組みをしなければいけない。

僕も40歳で現役を引退してから指導者の勉強をしました。指導者ってやらせることが大事だと思いがちじゃないですか。でも、何が一番難しいかというと、けがを防ぐために、選手のプレーを止めることが一番難しいと思うんです。みんな、勝ちたいんです。エースに投げてもらいたいんです。ちょっと肉離れしているけど、4番バッターに打ってもらいたいんです。それをやめさせる、止めるのが指導者にとって一番難しいことじゃないかなと痛感しましたね。そのために、今の時代に合わせてルールを変えていくことが大事だと思いますね。早い段階で取り入れてもらいたいと思います。

今、タイブレーク制とかいわれているじゃないですか。でも、タイブレーク制を取り入れても、じゃあタイブレークに入る試合が何試合あるのか。数えられるほどの試合数しかない。僕はやっぱり連投禁止とか、球数制限を導入しない限り、何も始まらないんじゃないかと思います。監督、コーチ、学校、選手もみんな、勝ちたいじゃないですか。試合になれば、勝負ごとですから、勝ちたいんですよ、誰でも。その勝ちたい気持ちを抑えてあげるには「球数制限」を設けるのが1番だと思います。ルールがあれば、守らなければいけない。そういうルールを設けることによって未然にけがを防げると思うんですよね。それをしない限り、ピッチャーは守れないですね。

プロ野球の選手は連投しようが200球投げようが僕はいいと思っているんです。勝利至上主義でいいんです。なぜなら体もできあがっていますし、仕事ですから。自己責任です。
学生野球で成長過程の子どもに無理をさせちゃいけないんです。これからの時代、高校野球は球数制限を取り入れて、けがを未然に防ぐ、そして、子どもを大事に育ててあげる。やはり学生野球は育成が大事だと思うんですよね。

 

Q.さらに桑田さんはけがで選手生命を断たれた選手を何人も見てきた。

同じ時代にすごい選手が連投、連戦することによってみんな消えていったんですね。
「あいつがけがしていなかったら、すごいプロ野球選手になっていたのに」「こいつがいたら、俺なんて絶対に優勝できなかったのに」という選手がいっぱい消えていった。
それは野球界にとって、本当にあってはいけないことだと思うんですよ。球数制限などを導入すると、高校野球が盛り上がらないという人もいますけど、絶対にそんなことないです。なぜなら必死に野球に取り組む高校生の姿は誰が見ても、どんなにルールが変わっても感動します。それが本当の高校野球なんです。そこにみんなが感動するから、あれだけの人が応援したくなるんです。メディアも取り上げたくなるんです。1日でも早く、球数制限をしてほしい。

あと夏の甲子園の日程ですよね。僕は8月の1か月間は甲子園を借り切って、高校野球のためにやるべきだと思いますね。その理由は選手の連戦、連投を防ぐためですよね。当然、ピッチャーだけでなく、キャッチャーもかなり投げますからね。野手も大変です。炎天下の中でね、3連投、4連投を経験していますけど、大変ですし。未然にけがを防ぐためにもまず球数制限、そして日程の確保ですよね。

長期ロードになるから、阪神の選手が大変になるのではないかという人もいます。荒木さんも経験あると思いますけど、プロ野球選手にとって、8月の甲子園ってしんどいんですよ。今は大阪にもドーム球場があって、阪神の選手も自宅から通えますし、野球界全体で8月は甲子園を高校野球のために使わせてあげることにしたらどうですか。空いた日は女子野球を組み込んでいく。女子野球の発展にも取り組んでいって。野球人口の減少を食い止められると思うんですよ。なぜ大切かというと、彼女たちは大人になって結婚して、子どもが生まれたら、おそらくキャッチボールをしてくれると思うんです。そうやって野球人口を増やしていくのも一つの方法だと思います。

「桑田は何を言っているのか」と言われますけど、日本の高校野球が発展していくために、時代に合ったやり方を考えていかないといけない時代だと思いますね。

(おわり)

 

  

★インタビュー本編の動画はこちら↓↓↓ ★
 

 

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