21日に閉幕した夏の全国高校野球は、初日から決勝まで見逃せない試合ばかりでしたね。
そのためか、今、すっかり甲子園ロスです。
決勝では、大阪桐蔭高校から学校での盛り上がりを中継でお伝えしました。
アルプススタンドへの応援に行けなかった大阪桐蔭中学校の1年生と2年生が校内のホールに集まり、みんなで試合を観戦しました。
ところで、大阪桐蔭の場合、選手それぞれに応援歌があるのをみなさん、ご存じですか。
たとえば、中川卓也主将ならクイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」。
4番の藤原恭大選手なら「You are スラッガー」。
大阪桐蔭の講堂にいても「ここは甲子園かな?」と思うくらい、皆さんがそれぞれの選手の応援歌を歌いながら大きな声援を送っていたのが印象的でした。その場に立ち会わせてもらえたことが本当にうれしかったです。
そんな中、やはり胸が熱くなったのは、大阪桐蔭の優勝が決まったときです。
中川主将が仲間に肩を抱かれながら流していた涙を見て、私も泣いてしまいました。
主将として引っ張ってきたこの1年、どれだけ苦しかったのだろう。
その苦しさを上回って余りある喜びが、この涙に表れているような気がしました。
去年の夏も、センバツ王者として夏の大会に臨んだ大阪桐蔭でしたが、3回戦で、春夏連覇の夢は途絶えました。
試合の翌日に新チームが発足し、主将となった当時2年生の中川選手が「来年、ことしの忘れ物(深紅の大優勝旗)を取りに行く。春夏連覇を成し遂げる」と話していたのを、今もはっきりと覚えています。
その言葉どおり、ことしの春も夏も甲子園に帰ってきて、主将として深紅の大優勝旗を手にしている姿を見たときには、心からうれしい気持ちになりました。
その試合後、宿舎にお邪魔し、監督と選手にインタビューをさせてもらいました。
勝利の喜びを語る表情は、試合や練習の中では見られないような柔らかい笑顔でした。
中川選手
根尾選手
柿木投手
藤原選手
実は、決勝の前日の準決勝でも、心が躍るような出来事があったんです。
私は甲子園のアルプススタンドで取材したのですが、去年の大阪桐蔭のメンバー・坂之下晴人さんに会うことができました。覚えていてくれて本当にうれしかったです……!!!
坂之下選手と山本
去年は二塁手として鉄壁の守備を築いていたその活躍を覚えている方も多いのではないでしょうか。
現在、関西の大学に通っていて、野球部の遠征の合間をぬって応援に駆けつけたそうです。
後輩たちの活躍を見て、「本当にすごいなと思う。全員たくましくなっているし、すごくかっこいい」と優しいまなざしで話してくれました。
スポーツキャスターになって2年目。
選手たちと喜びの瞬間を共にできること、そして過去に活躍した選手たちとも再会して喜びを分かち合えることはこんなにすてきなことなんだと感じました。
一つ一つの出会いを大切に、これからもスポーツの感動を皆さんに届けていきたいと思います。
スポーツキャスター 山本 賀保子(やまもと かほこ)