高知大会4試合を、30得点&エースの全試合完投で勝ち抜いた高知商業。決勝では去年秋の明治神宮大会を制した明徳義塾を相手に10-2と圧倒。明徳義塾エースの市川投手に対して下位打線まで切れ目なく14安打と強打を示した。150キロ近い直球を打つためにマシンを160キロに設定して目を慣らした結果だった。
初戦の相手は山梨学院。サウスポー垣越投手を想定し、前日練習では、左投手がマウンドの5mほど前から全力投球。左投手の速い球に対策をした。それが功を奏し、垣越投手から5回1/3で9得点。ストレートに狙いを絞ってフルスイングした。最終的には14-12で高知商業が1回戦を突破。16安打、3度の逆転をして打ち勝った。
この逆転劇の要因の一つとして選手とアルプスがともに楽しんで試合を進めたことが挙げられる。試合前、上田修身監督は「これがお前たちとする最後の野球かもしれない。楽しんでやろうや」と声をかけ、それに応えた選手たちはのびのびとプレーした。5回裏の攻撃、アルプスによさこい節が流れると、応援団は声を合わせて大熱唱。リードを許している場面だったが、一瞬で全員が笑顔に。
甲子園がよさこいの演舞場となったのだった。
そこから火を噴いた高知商業打線。厳しい接戦を“楽しんだ”選手とアルプスの応援団は、2回戦以降も「よさこい節」に合わせて甲子園で舞ってくれるに違いない。
(高知商 ふるさとリポーター 瀬戸 光)