大会5日目の第2試合では山口の下関国際高校が延長戦を制し、春夏あわせて3回目の挑戦でうれしい甲子園初勝利をあげました。
13年前に就任した下関国際の坂原秀尚監督は去年の夏、チームを初めて甲子園に導き、ことしの夏までに春夏あわせて3大会連続で甲子園出場を果たしました。しかし、去年の夏とことしの春はいずれも初戦を突破できず、「甲子園の壁」に阻まれていました。そこで、坂原監督はことしの夏に向けて甲子園出場ではなく、「甲子園で勝つこと」を目標に掲げ、これまでで一番という猛練習をして大舞台に帰ってきました。
9日の初戦を前に坂原監督は過去2回はいずれも先制を許して敗れたことから「先制して流れに乗りたい」と話していました。ところが、試合は岩手の花巻東高校に5回に先制を許してリードされるこれまでと同じ展開になり、主導権を握ることができませんでした。
それでも坂原監督は「終盤が勝負だ」とチームを鼓舞し続けました。
そして、1点を追う土壇場の9回に選手が応え、3連続ヒットで追いついて延長戦に持ち込みました。
さらに延長10回、疲れが見える相手ピッチャーを攻めて4本のヒットを集めた下関国際が2点を勝ち越し、ついに甲子園初勝利を手にしました。
試合後、坂原監督は「猛練習で培ってきた選手たちの勝利への執念が春とは違っていたし、追い込まれてからの気持ちの強さがあった。甲子園の壁を乗り越えてつかんだ初勝利は大きな価値がある」と話していました。
試合後、記念のウイニングボールを監督に手渡したキャプテンの浜松晴天選手は「監督のおかげでここまでやることができて感謝の気持ちでいっぱい。初勝利をプレゼントすることができてうれしい」と笑顔で話していました。
(甲子園取材班 金沢隆大記者)
(延長10回、下関国際・川上選手の勝ち越しタイムリー)