プロ野球の担当記者が、選手の素顔や日々の取材で気づいたことを紹介するブログ。
今回はオリックス担当の「オリ番のつぶやき」です。私が注目するのが新外国人のアンドリュー・アルバース投手(32)です。
■異色の経歴の持ち主
今シーズン、オリックスに加入したアルバース投手は、異色の経歴の持ち主です。なんと、シーズンオフは出身地・カナダの高校でフランス語と数学の教師をしているのです。
ケンタッキー大学で教員免許を取得し、7年ほど前から子どもたちに教えているというアルバース投手。当時、マイナーリーグでの生活が続いていて、シーズンオフの間にお金を稼ごうと、臨時教師を始めたといいます。それでも子どもたちに教えていくうちに教師の楽しさを覚え、「野球選手」と「教師」という二刀流を続けてきました。
■野球ではWBCカナダ代表も
本業の野球でも実績は十分です。教師との二刀流を続けながら、2013年と2017年にWBCカナダ代表にも選ばれました。さらに、昨シーズン、マリナーズで5勝1敗1セーブをマークするなど、大リーグでの活躍がオリックスの目にとまり、オファーを受けて入団することになりました。
■ここまで安定した活躍
左の先発ピッチャーが手薄なチームにあって、アルバース投手は貴重な存在です。4月4日のロッテ戦では、6回1失点の好投で初登板初勝利。さらに、2回目の登板となった11日の楽天戦でも5回2失点と安定感抜群のピッチングをみせました。ここまで防御率2.45(4月12日現在)は、オリックスの先発投手陣で2番目の数字です。
キレのある速球を左右に投げ分けるピッチングが持ち味のアルバース投手ですが、最近覚えた日本語は、「右」と「左」。笑顔で覚えたての日本語を教えてくれた気さくな新外国人が、チームを引っ張ります。
(オリックス担当 小林達記 記者)