「仲間や応援してくれる人の力を知りました。いろんな人に見守られながら試合ができるのは幸せだと感じました」。
こう話したのは、大会9日目の第4試合に出場した近江(滋賀)の木村龍之介選手です。
木村選手は去年8月に練習試合で右足の骨折などの大けがを負い、野球ができるようになったのはことしに入ってからでした。その間、データ分析など裏方に回ってチームを支えました。
「今まで裏方の仕事を全然わかってなくて、自分のことで精いっぱいでした」という木村選手。けがをきっかけに、陰で支えてくれる仲間や応援してくれる人の大切さを知りました
星稜(石川)との3回戦。木村選手は6回、タイムリースリーベースヒットを打ち、二塁を回る時に、大きく腕を回して進塁の合図をする三塁コーチの茨木寿弥選手の姿が目に入りました。「茨木が腕を回しているのが見えたので、合図を信じて三塁に走ることができました」。三塁に着くと、茨木選手に頭をたたかれて、手荒い祝福を受けました。
「茨木も三塁コーチの仕事を喜んで全うしてくれていて、本当にうれしかった」と仲間の姿に喜びを感じていました。
(甲子園取材班 西田理人記者)